山口県長門市の断崖に沿って連なる123基の朱色の鳥居は、元乃隅神社を象徴する絶景として広く知られています。しかし、この鳥居がどのようにして生まれたのか、その由来や歴史まで知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。今回は、元乃隅神社の123基の鳥居が建てられるまでの物語を、順を追って詳しくご紹介します。
すべての始まりは白狐のお告げ
元乃隅神社の歴史は1955年(昭和30年)にさかのぼります。地元で網元を営んでいた岡村斉さんのもとに、ある夜、白い狐が現れたと伝えられています。その狐は「これまで漁をしてこられたのは誰のおかげか」と問いかけたのち、「吾をこの地に鎮祭せよ」と告げたといいます。漁業で生計を立てていた岡村さんにとって、この不思議な出来事は無視できないものでした。そしてこのお告げに従い、この地に神を祀ることを決意したのが、元乃隅神社の始まりです。
最初は小さなお堂から
お告げを受けてすぐに、現在のような立派な社殿が建てられたわけではありません。当初は簡素なお堂が建てられただけの、ごく小規模な祭祀の場でした。地域の人々にとっては大切な信仰の場所ではあったものの、今のように多くの観光客が訪れるような場所ではなかったのです。
1958年、祠の建立
お堂ができてから数年後の1958年、正式な祠が建立されます。これにより、地域の漁業関係者を中心とした信仰の対象として、少しずつ元乃隅神社としての形が整えられていきました。この段階でもまだ、現在のような123基の鳥居が並ぶ姿はありませんでした。
10年をかけて整備された現在の社殿
元乃隅神社が現在のような姿になったのは、1987年から1997年にかけての約10年間です。この期間に社殿が本格的に整備され、あわせて名物である赤い鳥居も少しずつ奉納されていきました。1基、また1基と、地域の人々や参拝者の思いが込められた鳥居が積み重なっていき、最終的に123基という数に至ったのです。一気に建てられたのではなく、長い年月をかけて少しずつ形作られてきたという歴史こそが、この鳥居の重みを物語っています。
なぜ123基なのか
123基という数字自体に厳密な宗教的意味があるという明確な記録は残っていませんが、10年という長期間にわたって奉納が積み重ねられてきた結果としてこの数になったと考えられています。1基ごとに奉納した人の願いが込められているとすれば、123基すべてに異なる物語が眠っているとも言えるでしょう。
CNNが選ぶ「日本の最も美しい場所」に選出
長い年月をかけて整備されてきた元乃隅神社ですが、一躍全国的に、そして世界的に知られるようになったきっかけは、米CNNが選定した「日本の最も美しい場所31選」に選ばれたことでした。海外メディアに取り上げられたことで、国内はもちろん海外からも多くの観光客が訪れるようになり、今では山口県を代表する観光名所のひとつとなっています。
鳥居ごとに異なる表情
123基の鳥居をよく観察すると、建てられた時期の違いによって色の濃淡や質感に微妙な差があることに気づきます。長年風雨にさらされてきた鳥居と、比較的新しい鳥居とが混在しているのは、10年かけて少しずつ奉納されてきた歴史の証です。写真を撮る際には、そうした鳥居ごとの個性にも注目してみると、より深く元乃隅神社を楽しむことができます。
地元の信仰としての側面
観光地としての知名度が先行しがちな元乃隅神社ですが、もともとは漁業関係者の信仰に根差した神社であるという点も忘れてはならないポイントです。白狐のお告げから始まったという由来からもわかるように、地域の暮らしと海とのつながりを大切にしてきた場所であり、今も地元の人々にとって大切な祈りの場所であり続けています。
まとめ
元乃隅神社の123基の鳥居は、1955年の白狐のお告げから始まり、1958年の祠建立を経て、1987年から1997年までの10年間で少しずつ奉納が積み重なることで完成した歴史ある景観です。一つひとつの鳥居に込められた願いや、長い年月をかけて形作られてきた背景を知ると、ただ美しいだけでなく、より味わい深い場所として元乃隅神社を眺めることができるはずです。
元乃隅神社観光の後は「広島お好み焼き 弘々家」へ
元乃隅神社の歴史に思いを馳せた後は、下関市内へ戻る道中にぜひ「広島お好み焼き弘々家 下関市山の田店」にもお立ち寄りください。1993年創業、累計50万食以上を提供してきた地元の名店で、食べログ百名店にも4年連続で選ばれています。下関の製麺所で作られる国産小麦専用麺を鉄板でパリパリに焼き上げ、カープソースをベースに6種類のスパイスをブレンドした自家製ソース、冬キャベツをじっくり蒸し焼きにするこだわりの一品です。歴史ある鳥居に負けない、長年愛されてきた味をぜひ味わってみてください。
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