「また来るね!」という言葉を、あなたは誰かに言ったことがあるだろうか。
飲食店に通い続けるとき、人はいつも何かを求めている。美味しさだけではない。あの空間、あの人、あの温度。何かが揃ったとき、人は自然と「また来るね」と口にする。そしてその言葉をもらった側は——特に、それを32年間積み重ねてきた人間にとっては——その一言が、次の朝も鉄板の前に立つ理由になる。
山口県下関市山の田。JR幡生駅から徒歩15分ほどの住宅街の一角に、「広島お好み焼き 弘々家(こうこうや)」はある。観光ストリートとは縁遠い、どこにでもあるような地元の風景の中に、その店はある。それでも、全国から人が訪れる。なぜか。それを知るには、店主・市山隆志という人間を知る必要がある。
こんな方におすすめ
- ✅ 下関観光の際に、地元民が本当に通っている店を探している方
- ✅ 「食べログ百名店」に選ばれ続ける店の”理由”を知りたい方
- ✅ 観光地のお店ではなく、32年続く地域密着の味を体験したい方
- ✅ お好み焼きに「人の温度」を感じたいと思っている方
- ✅ 市山隆志という店主がどんな人間なのか気になっている方

鉄板の前に立ち続けた35年——そのはじまり
市山隆志が初めて鉄板の前に立ったのは、35年以上前のことだ。下関生まれ、下関育ち。地元の食文化と空気の中で育ってきた彼が、お好み焼きという仕事を選んだのには、複雑な動機があったわけではない。「この街で、自分の手で何かをつくりたかった」——それだけだったと、彼は語る。
1994年、弘々家は産声を上げた。当時、まわりの友人たちが様々な選択をしていくなかで、市山は鉄板一枚と向き合う道を選んだ。最初から繁盛していたわけではない。毎日、一枚一枚。ただひたすら焼き続けた。
弘々家のお好み焼きに特徴的なのは「パリパリ麺」だ。生めんを鉄板でキツネ色に香ばしく揚げ焼きし、その上にふわふわのキャベツ、国産豚バラ肉を重ねて焼いた広島お好み焼き。外はパリパリ、中はジュワッと旨みが広がる、この食感はここでしか味わえない。瓦そばの調理法からヒントを得て磨き上げたこの技は、35年という時間の結晶だ。
市山がこだわるのは、技術だけではない。休日には世界各地の食を食べ歩き、「美味しい一枚を焼くためのヒント」を探し続けている。還暦を超えた今もスノーボードのゲレンデに立ち、フルマラソンを10回以上完走し、ツールド下関にも出場する。そのエネルギーは、間違いなく鉄板の上にも乗り移っている。市山隆志が鉄板の前に立ち続けた32年間の歩みを読むと、その人物像がさらにくっきりと浮かびあがる。
「また来るね!」という声が32年の原動力だと読んで、この店が普通のお好み焼き屋とは違うと感じてくれた方もいると思う。弘々家のLINEに登録すると、来店クーポンと毎月の営業日情報を受け取れる。登録はLINEのリンクを開くだけ。
「ここに来ると元気が出るんです!」——10代の女の子がくれた言葉
忘れられない一言がある、と市山は言う。
ある日、常連の学生の女の子が、席につくなりこう言った。
「ここに来ると元気が出るんです!」
10代・女性(学生)
その子がどんな一日を過ごしてきたのか、その言葉の裏にどんな事情があったのかは知らない。でも、弘々家に来て、焼きたての一枚を食べて、何かが満たされたのだということは伝わった。
「味じゃないんですよね、そのときは」と市山は静かに言う。「空間とか、雰囲気とか、その子が感じてくれた何かが、この店にあったってことでしょう。それが嬉しかった」
弘々家には、こういう瞬間が積み重なっている。家族連れのお客様が「おばあちゃんがすごく喜んでくれました」と教えてくれた夜も、「動画で見て、すぐ来ました!」と遠方から駆けつけてくれた若者も、「麺がこんなにおいしいなんて!」と目を丸くした40代の男性も——ひとりひとりの顔が、今も市山の記憶の中にある。
創業32年で累計48万人を超えるお客様が訪れた。その数字より、市山が大切にしているのは「また来るね!」という声だ。
✓ ここまでのポイント
- 市山隆志は35年以上、下関で鉄板の前に立ち続けてきた生粋の下関人。
- 弘々家の「パリパリ麺」は、キツネ色に揚げ焼きした生めんを重ねて焼く独自の技から生まれる唯一無二の食感。
- 「ここに来ると元気が出るんです!」という言葉に代表されるお客様との関係が、32年を支えてきた原動力。
パリパリ麺の食感も、安岡ねぎを使った一皿も、実際に来てみないと伝わらないことが多い。LINE登録しておくと、不定休の日程や旬のメニュー情報を見逃さずに済む。来店の前日に確認する使い方が、遠方からのお客様には特に便利だ。
地元に育てていただいた——だから、手を抜けない
食べログのお好み焼き百名店に、弘々家は2022年・2023年・2024年・2025年と4年連続で選出されている。TYSテレビやKRY山口放送、ヤフーニュースにも取り上げられ、今では山口県内だけでなく、北九州や全国各地からお客様が訪れる。
でも、市山に「有名店の店主」という雰囲気は微塵もない。メディア取材を解禁するきっかけになった、娘さんの一言のエピソードを知ると、その人柄がよくわかる。
常連のほとんどは、地元の方々だ。山の田の住宅街に暮らすおじいちゃん、おばあちゃん。市大(下関市立大学)の学生たち。仕事帰りのサラリーマン。家族で来るファミリー層。ランチに来る主婦のお客様。夜は少人数の歓迎会や送別会、仲間うちの集まりに使われる。
「地元の方に育てていただいた、というのが正直な気持ちです」と市山は繰り返す。「だから、どんなに忙しくても、一枚一枚、手を抜かない。手焼きで仕上げる。それだけは絶対に変えない」
混雑時には30分以上お待ちいただくこともある。すべてのお好み焼きを市山が一枚ずつ手焼きで仕上げるためだ。それでもお客様は待つ。焼きたての一枚には、それだけの価値があると知っているから。
下関特産「安岡ねぎ」を使った一皿も、この店ならではの誇りだ。地元の食材を、地元の技で仕上げる。それが弘々家の軸にある。贅沢6種盛り、とん平焼き——いずれも、市山の手から生まれる。
下関を旅するなら、ここに寄ってほしい
唐戸市場、関門海峡、角島大橋、赤間神宮——下関には見どころが多い。角島の澄んだ海を見て、関門橋の夜景に息をのんで、人道トンネルを歩いて、そのあと「何か、地元らしいものを食べたい」と思ったとき。
弘々家に来てほしい。
観光向けに「映え」を意識したお店ではない。でも、鉄板の前で35年以上腕を磨いてきた男が、今日も一枚一枚を焼いている。国産豚バラ肉、寒玉キャベツ、国産小麦100%の麺、安岡ねぎ——地元の素材を、キツネ色に香ばしく焼いた麺の上に重ねて、ジュワッ!パリッ!と仕上げる。その音と香りが、席に着いた瞬間から食欲を呼び覚ます。
子ども連れのお客様も安心して来ていただけるよう、子ども用のイスやフォーク、ミルク用のお湯も用意している。ベビーカーでの来店も歓迎だ。座敷16席、カウンター6席の22席で、少人数の集まりにも対応している。テイクアウトはもちろん、Uber Eats・出前館・電話での注文も受け付けている。
来店の際は電話予約をおすすめする。毎月の営業日はインスタグラムとLINEで告知しているので、来店前に確認を。駐車場は店舗前2台と山の田バス停裏手に6台、計8台分を無料で用意している。
まとめ——「また来るね!」を、また聞きに行く
32年という時間は、一枚一枚の積み重ねだ。市山隆志という人間が鉄板の前に立ち続けてこられたのは、技術でも受賞歴でもなく、「また来るね!」という声があったからだと、彼自身が言う。
その声を聞きに、下関に来てみてほしい。山の田の、少し奥まった場所に、32年分の温度を持った鉄板がある。焼きたての一枚が、あなたを待っている。
ご予約・お問い合わせはお気軽に。
083-254-4654(広島お好み焼き 弘々家)
営業時間: 火〜日・祝 11:30〜15:30 / 17:30〜23:00(月曜定休 ※月曜祝日の場合は翌火曜休)
オーダーストップは閉店1時間前。月に数日の不定休あり。最新情報はインスタグラム・LINEにてご確認ください。
記事を最後まで読んで、実際に弘々家に行ってみようと決めたなら、まずは電話で席を押さえてほしい。手焼き一枚ずつの仕上げなので、予約があるとスムーズに案内できる。電話一本で予約が完了する。

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